かつてない好調期を迎えている航空機産業。旅客需要の増加を背景に、航空機の市場は拡大し続けています。"地球は小さくなった"。皆さんも、そう感じることがあるでしょう。それは、航空機の発展により、飛行機に乗ることが手軽で簡単になった証しでもあります。
現在の航空機産業は、2大メーカーが牽引し、世界中の部品製造メーカー(サプライヤー)から部品を調達し、組み立てるという世界規模のサプライチェーンを築いています。私たちは、このサプライチェーンの一員として常に世界に目を向け、グローバルな志向を持ち続けていきたいと考えています。私たちにとっての「世界一」とは、実際に「世界一」を目指すことだけではなく、このグローバルマーケットの中で生きていくという決意でもあります。
1機の航空機に使用される部品の総数は、約200万点にのぼります。このうち私たちが加工する構造体と呼ばれる部品は、アルミやチタンの塊から一品一品が削り出され、その精度は誤差100分の1ミリ以下と、極めて高い精度で加工されています。そして航空機部品製造で最も困難なのが、こうした難易度の高い加工技術を速く行うということ。それが航空機ビジネスです。加工の速さは効率化を生み、コストの削減につながります。また、難削材や複雑な形状に対応する速さも必要不可欠です。私たちは加工精度と速さを常に追求していくことで、世界の加工メーカーと競い合うことができるのです。
また航空機部品はすべての部品に製造ナンバーが刻印され、完全なトレーサビリティを実施。業界全体として安全保証を担保できる品質管理体制を構築しています。
美しさとは、単に加工処理の美しさを求めることではありません。私たちにとっての美しさとは、製造工程、システム、プログラム、さらにはお客様への対応や各自の立ち居振る舞いまで含まれます。それは単に加工を行えばいいということではなく、よどみなく整然と、スムーズに加工が行われることを意味しています。改善や秩序等を重要視し、生産工程全体の美しさを目指しているのです。世界に誇れる日本のモノづくりは、まさにこの美しさが随所に息づいています。私たちは最新鋭の設備と、世界水準の技術力を求めながらも、こうした日本的なモノづくりの精神は受け継いでいきたい。これこそが、私たちが世界で戦う際の、実に強い武器になると信じています。